次元上昇(アセンシヨン)ラムサ

人間が死を迎えるにもかかわらず、太陽がずっと存在し続けるのは、太陽が死のことなど考えもしないからだ。つまり、太陽が知っているのは『在る』ということだけなのだ。 

私にとって風は究極の要素であった。それはずっと存在し続け、自由に動き、すべてを飲み込むものだからだ。風には境界もなければ形もない。風は不思議な存在で、探究と冒険が好きだ。そして、これこそまさに、あらゆるものの中で生命という神の本質に最も似ているものである。それに、風は決して人に価値判断を下さない。決して見捨てたりしない。もし風を呼べば、それはあなたの所にやってくる。愛があるからやってくるのだ。理想とはこのようなものだ。
それゆえ私は、風になりたいと心から願った。そしてその事について何年も思い巡らした。風は私の理想となったのだ。私の思考のすべては、風になることに傾けられた。そんな私がなったものは、まさに風そのものだった。
最初の出来事が起こったのは、私が剣で突き刺されてから六年たってからのことだった。夕方になるといつも、一人で高台に座り、月の柔らかな青白い光をじっと見つめながら風に思いを巡らしていた。そしてそんなある日、驚いたことに、突然自分が天空に浮かんでいることに気づいたのだ。首を回して下を見たときには、自分が誰なのかさえわからなくなってしまった。

(剣で刺されることで、一度死んだつもりの、むしろ死にこだわらなくなったことが大きく影響しているのだろうか)

いやされ本舗 楽人

自然豊かな沖縄本島北部。 本部町。 空・太陽・山・海。 癒やされるための空間がそこにはあります。