二宮尊徳の教え③

『殺生』
仏教では生き物を殺すのをいさめているが、

これは実に不都合なものだな。

天地は死物じゃないし、万物も死物じゃない。

このように生きた世界に生まれて、

一切殺してはいけないということになったら、

人間はどうして生きていくことができるんだ。

生きていけるのは生き物を食べているからなんだ。

死んだものを食べるだけでどうして生きていけよう。
人はみな、鳥、獣、虫、魚などを

殺すことを殺生というが、

草木、果物、穀物を殺すのも殺生と

なることを知らないんだ。

動いたり飛んだりする動物だけを

生きているといって、

草木や穀物のような植物は

生き物ではないとでもいうのだろうか。

鳥獣を殺すことだけを殺生といい、

穀物を煮ることは殺生じゃないというんか。

菜食の修行者といえども、

秋山の落ち葉だけを食べて生きれるもんかね。
だから仏教では殺生戒というが、

ただ自分と類の近いものを戒めて、

類を異にするものを禁じないというのも

不都合なものだ。

つまり、

殺生戒ではなくて殺類戒とでもいうべきだな。

人道というのは人間に都合よく立てたものだな。

いやされ本舗 楽人

自然豊かな沖縄本島北部。 本部町。 空・太陽・山・海。 癒やされるための空間がそこにはあります。